助成金の要件にある「特定受給資格者」とは
助成金の手続きを行う際の要件の一つに、企業内における「特定受給資格者」の割合が問われます。要件の項目を読んでも活字が複雑で、解読するのが難しく、嫌がる人も多いかもしれません。余計な修飾語を省いて分かり易く述べると「特定受給資格者の数を被保険者数で割って、その割合が6%を超えると受給できません」ということです。期間とか提出日も大事ですが、分かり難くなるので、ここでは省いてあります。
「特定受給資格者」とは
特定受給資格者とは、倒産・解雇等により再就職の準備をする時間的余裕がなく離職を余儀なくされた人のことです。
倒産等により離職した人とは、
- ① 倒産にともない離職した人
- ② 大量の雇用変動の届出がされたため離職した人、及び会社に雇用される被保険者の数を3で除して得た数を超える被保険者が離職したため離職した人
- ③ 事業所の廃止に伴い離職した人
- ④ 事業所の移転により、通勤することが困難となったため離職した人
解雇等により離職した人とは、
- ① 解雇(自己の責めに帰すべき重大な理由によるものを除く)
- ② 労働契約の締結に際し明示された労働条件が事実と著しく異なること。
- ③ 賃金の額を3で除して得た額を上回る額が支払期日までに支払われなかったこと。
など
そのほかに細かい規定がありますが、ここは省きます。
上記のような人が、被保険者数で割って、その割合が6%を超えなければ要件を満たすことになります。
有期労働契約者が「特定受給資格者」となる場合
この特定受給資格者は、契約期間のある有期労働契約者も「特定受給資格者」に該当することがあります。それは下記の2つの場合です。
- ① 契約が更新となり、3年以上経過して雇用されているが、解雇された場合
- ② 契約更新の明示があったにも関わらず、結果的に3年未満で解雇となった場合
この2点の場合、「特定受給資格者」扱いをとなりますので、注意して下さい。
ちなみに②の場合で更新の明示がない場合は「特定理由離職者」という言い方をします。
特定理由離職者については、ご興味のある方はご自身で調べてみて頂ければと思います。
助成金を受給する際に、基本的な条件である「中小企業であること」「正社員が1名以上」「雇用保険に加入していること」などは分かり易いですが、特定受給資格者という難しい言葉だけを見ると良く分からず見落としてしまう可能性があります。最終的にご自身や専門家も気づかず、この点で労働局から支給されないことも考えられますので、あとで後悔しないためにしっかりチェックしておきましょう。
出典URL
https://www.hellowork.go.jp/insurance/insurance_range.html