10時間の訓練で助成金支給

多くの企業では、労働者を育成するために様々な訓練や研修を行っています。今回は、そういった訓練の内容によって助成金が支給されますので、内容を確認して、受給できる訓練があれば積極的に動いて頂くと良いかもしれません。

助成金獲得のための特定訓練コース(7つの訓練)

  • 労働生産性向上訓練
  • 若年人材育成訓練
  • 熟練技能育成・承継訓練
  • グローバル人材育成訓練
  • 特定分野認定実習併用職業訓練
  • 認定実習併用職業訓練
  • 中高年齢者雇用型訓練

労働生産性向上訓練

この助成金は労働生産性の向上に資する訓練を実施することで、助成金が支給する訓練です。

  1. Off-JTにより実施される訓練であること。
  2. 実訓練時間が10時間以上であること。
  3. 労働者に次の①から⑥までのいずれかの訓練等をうけさせること。
    ①職業能力開発促進センター(ポリテクセンター)や職業能力開発大学校等で実施する高度職業訓練
    ②中小企業等経営強化法において認定された事業分野別経営力向上推進機関が行う訓練
    ③中小企業大学校が実施する訓練等
    ④厚生労働大臣が専門的・実践的な教育訓練として指定した専門実践教育訓練
    ⑤生産性向上人材育成支援センターが実施する訓練等
    ⑥当該分野において労働生産性の向上に必要不可欠な専門性・特殊性が認められる技能に関する訓練

助成金の額

賃金助成:1時間あたり760円(中小企業以外380円)
訓練経費助成:実費相当額の45%(中小企業以外30%)
OJT実施助成:1時間あたり665円(中小企業以外は380円)

若年人材育成訓練

訓練開始日において、雇用契約締結後5年以内で35歳未満の若年労働者に対する訓練を実施した場合に助成金が受給できる訓練

訓練対象者
申請事業主または申請事業主団体等の構成事業主において雇用契約締結後5年以内かつ35歳未満の雇用保険の被保険者

要件

  • Off-JTにより実施される訓練であること
  • 実訓練時間が10時間以上であること。

助成金の額

賃金助成:1時間あたり760円(中小企業以外380円)
訓練経費助成:実費相当額の45%(中小企業以外30%)
OJT実施助成:1時間あたり665円(中小企業以外は380円)

熟練技能育成・承継訓練

熟練技能者の指導力強化や技能承継のための訓練、認定職業訓練を受講する場合に助成金が支給される訓練

訓練対象者
申請事業主または申請事業主団体等の構成事業主において雇用保険の被保険者

要件

  • Off-JTにより実施される訓練であること。
  • 次のいずれかに当てはまる訓練であること。
    ①熟練技能者の指導力強化のための訓練:雇用している熟練技能者に対して、技能者育成のための指導力を強化する訓練
    ②熟練技能者による技能承継のための訓練:雇用している労働者に対して、社内外の熟練技能者の指導により行う技能を承継するための訓練
    ③認定職業訓練:熟練技能者とは下記の者が該当します。
  • 特級技能検定、1級技能検定または単一等級技能検定合格者
  • 職業訓練指導員
  • 事業主団体から熟練技能を保有している旨の推薦を受けた者で建設又は製造に係る職種の主要な技能の内容を包含する実務経験が15年以上であって在職中の者。
  • 自治体等が認知しているマイスター等
  • 技能大会で優秀な成績を修めた者

実施訓練例

  • 熟練技能者の指導力強化の場合:熟練技能者が教える能力向上のために職業訓練指導員講習を受講
  • 熟練技能者による技能承継の場合:熟練技能者を招聘して、その技能を従業員へ伝えるための研修を実施

助成金の額

賃金助成:1時間あたり760円(中小企業以外380円)
訓練経費助成:実費相当額の45%(中小企業以外30%)
OJT実施助成:1時間あたり665円(中小企業以外は380円)

グローバル人材育成訓練

海外関連の業務に従事する従業員に対して訓練を実施した場合に助成金が支給されます。

訓練対象者
申請事業主または申請事業主団体等の構成事業主において雇用保険の被保険者

要件

  • Off-JTにより実施される訓練であること。
  • 実訓練時間が10時間以上であること。
  • 海外関連の業務を行っている事業主が、労働者に対して実施する海外関連の業務に関連する訓練であること。

実施訓練

  • 例語学力、コミュニケーション能力向上のための講座等の受講
  • 国際法務、国際契約、海外マーケティング、地域事情に関する講座等

助成金の額

賃金助成:1時間あたり760円(中小企業以外380円)
訓練経費助成:実費相当額の45%(中小企業以外30%)
OJT実施助成:1時間あたり665円(中小企業以外は380円)

特定分野認定実習併用職業訓練

建設業、製造業、情報通信業に関する認定実習併用職業訓練を実施した場合に助成金が支給されます。

訓練対象者
次の1~3のいずれかに該当する15歳以上45歳未満の労働者であって、雇用保険の被保険者

  1. 新たに雇い入れた雇用保険の被保険者
  2. 実習併用職業訓練実施計画の大臣認定の前に既に雇用されている短時間等労働者であって、引き続き、同一の事業主において、通常の労働者に転換した者
  3. 既に雇用している短時間等労働者以外の被保険者

要件

  • 企業内おけるOJTと教育訓練機関で行われるOff-JTを効果的に組み合わせて実施する訓練であること。
  • 実施期間が6ヶ月以上2年以下であること。
  • 総訓練時間が1年当たり時間数に換算して850時間以上であること。
  • 総訓練時間に占めるOJTの割外が2割以上8割以下であること。
  • 訓練終了後にジョブカードにより職業能力の評価を実施すること
  • 新たに雇い入れた者のうち新規学卒予定者以外の者、上記2)、3)の者は、キャリアコンサルタント又はジョブカード作成アドバイザーによるキャリアコンサルティングを受け、ジョブカードを交付されること。
  • 主たる事業が日本産業分類の産業分類における建設業、製造業、情報通信業である事業主が実施する認定実習併用職業訓練であること。

助成金の額

賃金助成:1時間あたり760円(中小企業以外380円)
訓練経費助成:実費相当額の45%(中小企業以外30%)
OJT実施助成:1時間あたり665円(中小企業以外は380円)

認定実習併用職業訓練

OJT付き訓練で、厚生行動大臣の認定を受けた「実習併用職業訓練」を実施する場合に助成金が支給される訓練。助成金の手続きを行う前に、厚生労働大臣の認定を受ける必要があります。

訓練対象者
次の1~3のいずれかにがいとうする15歳以上45歳未満の労働者であって雇用保険の被保険者

  1. 新たに雇い入れた雇用保険の被保険者
  2. 実習併用職業訓練実施計画の大臣認定の前に既に雇用されている短時間等労働者であって、引き続き、同一の事業主において、通常の労働者に転換した者
  3. 既に雇用している短時間等労働者以外の者

要件

  • 企業内おけるOJTと教育訓練機関で行われるOff-JTを効果的に組み合わせて実施する訓練であること。
  • 実施期間が6ヶ月以上2年以下であること。
  • 総訓練時間が1年当たり時間数に換算して850時間以上であること。
  • 総訓練時間に占めるOJTの割外が2割以上8割以下であること。
  • 訓練終了後にジョブカードにより職業能力の評価を実施すること
  • 新たに雇い入れた者のうち新規学卒予定者以外の者、上記2)、3)の者は、キャリアコンサルタント又はジョブカード作成アドバイザーによるキャリアコンサルティングを受け、ジョブカードを交付されること。

助成金の額

賃金助成:1時間あたり760円(中小企業以外380円)
訓練経費助成:実費相当額の45%(中小企業以外30%)
OJT実施助成:1時間あたり665円(中小企業以外は380円)

中高年齢者雇用型訓練

中高年齢新規雇用者等を対象としたOJT付き訓練を実施した場合に助成金が支給される訓練

訓練対象者

  1. 新たに雇い入れた雇用保険の被保険者
  2. 実習併用職業訓練実施計画の大臣認定の前に既に雇用されている短時間等労働者であって、引き続き、同一の事業主において、通常の労働者に転換した者

要件

  • 企業内おけるOJTと教育訓練機関で行われるOff-JTを効果的に組み合わせて実施する訓練であること。
  • 実施期間が3ヶ月以上6ヶ月以下であること。
  • 総訓練時間が6ヶ月当たり時間数に換算して425時間以上であること。
  • 総訓練時間に占めるOJTの割外が1割以上9割以下であること。
  • 訓練終了後にジョブカードにより職業能力の評価を実施すること
  • 上記訓練対象者は、キャリアコンサルタント又はジョブカード作成アドバイザーによるキャリアコンサルティングを受け、ジョブカードを交付されること。

助成金の額

賃金助成:1時間あたり760円(中小企業以外380円)
訓練経費助成:実費相当額の45%(中小企業以外30%)
OJT実施助成:1時間あたり665円(中小企業以外は380円)

助成金受給までの流れ

  1. 訓練計画を作成
  2. 訓練開始日から起算して1ヶ月前までに「訓練実施計画届」と必要な書類を各都道府県労働局へ提出します。
  3. 訓練の実施(内部、外部講師によって行われる訓練、教育訓練施設で実施される訓練等)
  4. 都道府県労働局へ支給申請書の提出
    訓練終了日の翌日から起算して2ヶ月以内に必要書類を提出
  5. 助成金の受給

様々な訓練がありますので、従業員の能力向上を期待しての訓練をおススメ致します。
今後、人材育成が非常に重要になってきてお金もかかると思われます。助成金制度のある今のうちに従業員の育成を図って頂ければと思います。
不明点な点は、お近くの専門家または下記のフォームよりお問い合わせ下さい。


出典URL
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/kyufukin/d01-1.html