今さら聞けない!キャリアコンサルタントって何?
ここ数年、助成金受給にあたりキャリアコンサルタントという言葉が頻繁に出てきていました。キャリアコンサルタントと従業員が面談する制度を導入すると事業主に助成金が支給されるという助成金です。今年度で終了ということで、今一度、キャリアコンサルタントってどんな仕事なのか?今後もやる意味があるのか?どんなメリットが他にあるのか?などを見ていきたいと思います。
キャリアコンサルタントとは?
平成26年度「キャリアコンサルティング研究会」によると、キャリアコンサルタントの意義として、下記5つが挙げられています。
- ① 経営環境の変化、社会的な環境の変化、人員構成上の変化を背景として、企業と社員がともに成長していく
- ② 多くの企業での重要な施策としての、若手、中堅社員のキャリア開発を行っていく
- ③ 65歳までの雇用延長や、バブル期入社世代の中高年齢化へ対応することを目的として、ベテラン社員一人ひとりの自律的な働き方を促していく
- ④ ベテラン社員~60歳以上社員等は能力や実績、家庭環境や健康面など個別性が強いことから、個々人のキャリアの方向付けを行っていく
- ⑤ 女性社員の活躍推進・登用を人材面の経営課題として、キャリア形成支援施策を実施する
こういった5つの点がキャリアコンサルタントに求められるのですが、規模の小さい会社ほどキャリアコンサルタントの実施割合が低くなります。そこで政府は、キャリアコンサルタントを規模の小さい会社まで普及させるために、助成金を活用して日本全国へ普及させたいのです。
質を保証するために国家資格化!
キャリアコンサルタントは、質が悪いと意味がないため、政府はキャリアコンサルタントの質を維持する必要を考え国家資格化を行い、受験資格として厚生労働大臣が認定している養成講座で140時間(又は同程度)の講習を受けていないと受験資格を与えないこととしています。
さらに、キャリアコンサルタントに合格しても5年ごとの更新制のため日々自己研鑽を図っていないと剥奪される恐れがあります。それぐらいハードな試験のようです。
そのため、これらの条件をクリアしているからこそ、キャリアコンサルタントは名称独占となっており、キャリアコンサルタントに合格しないと「キャリアコンサルタント」として名前を名乗れないのです。
知り合いのコンサルタントやカウンセラーの方が、合格していないのに「キャリアコンサルタント」と名乗っていると違法になるので、気を付けて下さいね。
キャリアコンサルタントを企業へ導入するメリットは?
キャリアコンサルタントの意義と、質が良い点は理解できましたが、自社にどんなメリットがあるのか?
- ① 従業員の悩みを第三者として聞いてもらえる
- ② 従業員に自分自身の強み弱みを再認識させることが可能
- ③ 従業員に客観的な情報や判断を促すことが可能
- ④ 従業員が仕事に対して、冷静に取り組めるようになる
- ⑤ 従業員のやる気を引き出し、仕事に対して前向きになれる。
キャリアコンサルタントと面談すると、上記のようなメリットが考えられます。従業員のやる気がでて、結果として会社の生産性がUPすれば、経営者としては嬉しいですよね。ただ、中小企業の経営者さんはどうしても短期的な結果を求めてしまうので、キャリアコンサルタントを受けたからといって、すぐに売上利益に結びつくとは限りません。
キャリアコンサルタントを導入することは、中長期的に従業員の離職率が改善することや従業員のやる気があがり生産性が上がる、結果として売上利益が上がると考えるのが良さそうです。
他にメリットは?
平成27年労働者派遣法改正により、派遣元事業主はキャリアコンサルティングの相談窓口を設置している必要があります。また希望者に対してはキャリアコンサルティングの実施義務があります。派遣社員にとっては、自分のキャリアを確認できるという点ではメリットがありますね。
また、一般教育訓練給付金を受けるにあたり、受講者がキャリアコンサルタントを受けた場合は、その費用最大2万円を国が支給してくれるというメリットがあります。
キャリアコンサルタントは、助成金で初めて知った人も多いと思います。助成金を受給するためだけにキャリアコンサルタント制度を導入したとなると非常にもったいないです。是非、会社の従業員一人一人とキャリアコンサルタントが面談することで、継続的なモチベーションUP、安定的なメンタルケアを行ってもらえればと思います。
もちろん経営者自身がキャリアコンサルタントを受けるとなお良いと思います。働き方改革にマッチしており、会社全体が良くなっていくのではないでしょうか。
仕事の悩み、社員の仕事観、やる気,コミュニケーション不足、などでお困りの際は、良いキャリアコンサルタントなどもご紹介が可能です。是非、活用してみて下さい。