雇用保険に加入しなくても助成金を受給できる企業とは?

助成金を受給するには基本的には雇用保険に加入していなければいけません。なぜなら、助成金が支給される根拠は、雇用保険法62条、63条に規定されているからです。すなわち、助成金を受給するには雇用保険に加入していることが前提となります。

それなのに、助成金を受給するにあたり雇用保険に加入しなくて良い企業ってどういうこと?

雇用保険の「適用事業」条件の確認

雇用保険に加入するか否かを確認するには、企業が雇用保険の「適用事業」であるか否かを確認する必要があります。「適用事業」とは、労働者を雇用している事業のことをいいます。それ以外を「暫定任意適用事業」と言います。

「暫定任意適用事業」とは

個人経営であり、農林水産事業で常時5人未満の労働者を雇用する事業であること

すなわち、この暫定任意適用事業の企業は、雇用保険に加入していなくても助成金を受給できることになります。

なぜ、個人経営で、農林水産事業をやっている常時5人未満の労働者を雇用する会社は雇用保険に加入しなくて良いのでしょうか?
恐らく、天候などの影響を受けやすいため、企業として売上を安定的に上げることが難しかったり、投資回収に長期間かかる点を考慮されているのかもしれませんね。

「適用事業」とは

暫定任意適用事業以外は全て強制的に適用事業ということで雇用保険に加入しなければなりません。
1人でも労働者を雇用した場合は強制的に雇用保険に加入となります。また「国、都道府県、市町村等の事業及び法人である事業主の事業」については、常時5人未満の労働者を雇用する農林水産の事業であっても適用事業となります。
さらに水産事業においては、船員を一人でも雇用する事業は強制的に適用事業となります。

強制的に雇用保険に加入となる企業

  • ①1人でも労働者を雇用した企業
  • ②農林水産事業で労働者が「常時5人以上」の企業
  • ③国、都道府県、市町村の事業及び法人である事業主の企業
  • ④船員を1人でも雇用する水産事業

「常時5人以上」とは、一の事業において雇用する労働者の数が年間を通じて5人以上であることです。たまに質問を受けるのですが、この5人の計算には、「日雇い労働者」も含まれますので注意が必要です。

「法人」とは

ちなみに企業である「法人」の定義についても、よく聞かれるので、ここで記載しておきます。

「法人」とは

私法人、公法人、特殊法人、公益法人、中間法人、営利法人、社団法人、財団法人など全てが該当します。すなわち社団法人、財団法人なども助成金などを受給対象となります。

自社が、どのポジションにいるかを把握しておくことは重要です。
雇用保険を加入していない企業だから、財団法人だから、などと助成金を諦めていませんか?

この際に、正確な定義を覚えて助成金を受給できる知識を身につけましょう。