介護離職防止支援助成金について(平成30年度最新版)

介護離職防止支援助成金とは、親の介護のため会社を退職しなければならない人を防止し、介護と仕事の両立を支援することが目的です。介護に直面する労働者が介護休業を取得したり、介護のための勤務制限制度を利用した事業主に対して助成金が支給されます。

背景として、高齢者が増えてきたことにより精神的・肉体的なケアが必要であったり、機能の衰えにより支援や介護が必要となる人が増えてきました。特に女性の社会進出もあり、今までは親と一緒に住んでいた場合、お嫁さんが両親の世話をやっていましたが、女性の社会進出により世話を出来る人が家にいなくなったことも一因です。また結婚をする時期が遅れていることにより、男性が結婚する前に両親が介護状態となり、会社を休まざるを得ない状況になってきました。そして、介護は出産と異なり、先の見えない非常に長い期間かかる可能性があり、会社を休むだけでは有休が足りず、仕方なく退職となる人が増えてきたのです。
こういった背景もあり、国としては仕事と介護を両立できる環境を中小企業に整備して欲しいため、介護離職防止のための助成金があるのです。

助成金の額

① 介護休業の取得・復帰

  • 57万円(中小企業以外は38万円)

② 介護のための勤務制限制度の利用

  • 28.5万円(中小企業以外は19万円)

この助成金は、それぞれ1企業あたり無期雇用者1人、有期雇用労働者1人の計2人まで支給となります。

通常の仕事をしていく中では、この介護の問題はなかなか自社には関係ないように思われるかもしれません。しかし、介護の問題は労働者の両親のことであり、急に発生する可能性があります。従って、中小企業の経営者にとっては優秀な人材が急に親の介護によって退職されないように、こういった介護制度も整えておくことは重要なことです。また、こういった環境整備が福利厚生として最初から用意されていれば、これから入社する人にとっても安心して働ける職場になるのではないでしょうか。

働き方改革といわれており、労働者一人一人の働き方が問われてきます。労働者が退職をせず、生産性をしっかり上げることで会社全体の生産性UPにつなげて頂ければと思います。


出典URL
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kodomo/shokuba_kosodate/ryouritsu01/index.html